先日、私が帰宅しましたら、テレビを見ていた母が急にこんなことを言い出しました。
「ねぇ、株って儲かるの?」
そ、そんな…。父が家族の目を盗んで競艇へ行っていることをいつも激怒している母が…。株に興味を持っているなんて…。
最近、うちの母のように、堅実一筋で生きてきた年配の方々の中でも、株を始めとした投資への関心が高まっているようです。一体なぜでしょうか。
なぜ今、株なのか
2019年、6月。「年金だけでは老後のお金が2000万円不足する」という内容の報告書が金融庁から出されました。
この報告書への政府の対応に批判の声が上がる一方、ワイドショーなどでは連日、投資や資産運用を勧める特集が多く組まれました。
このことは普段こういった情報に触れることの少ない年配の方々も、株などに興味を持つきっかけとなったようです。
しかし、「すべての人が投資や資産運用をすべき」と言わんばかりの語り口には疑問が残ります。
お金の話は大事なことです。すべての人が投資などについて関心を持つべきだということに異論はありません。
ですが、それならなおのこと、始める前に株というものについて、もっと知識を掘り下げ、理解を深める必要があるのではないでしょうか。
今回は両親に、センセーショナルなことを言うメディアに流されず、自由な老後を送ってもらうために、きちんと伝えておきたいことを考えてみようと思います。
株は儲かるか、儲からないか
まず、母の疑問に答えておきましょう。
先に結論から言います。
株は、儲からない。
いきなり残念な話ですが、一般的に、株取引をしている個人投資家の多くは負けていると言われています。
株取引の場にはもうすでに、投資歴が何十年にも渡るという人や機関投資家(保険会社、金融機関などのいわゆるプロと言われる人たちですね)を始めとする大口投資家といった猛者たちがたくさんいます。
冷静に考えれば、その中で劇的な儲けを狙うということがいかに難しいことかお分かりになるかと思います。
それを踏まえて、現実的な目標利益率を設定しようとするならば、年利5%程度でしょうか。
これは100万円の投資資金の場合、年間5万円の利益、となります。
やはり、儲かるとは言い難いですね。
しかし、これを続けていきますと、5年後には27万円、10年後には62万円、20年後には165万円となります。
つまり株とは、儲かる儲からないといった性質のものではなく、毎年上手く積み立てていけることを目指す投資、と考えたほうが良いように思います。
成功者を真似ることで正解に近づく
では、具体的にどうすればいいのでしょうか。
私がおすすめするのは、上手くいっている投資家の手法を真似るという方法です。
株に限った話ではありませんが、何かを始めたてで経験の浅い頃に、見よう見まねで自己流にやったところで上手くいきませんよね。
株取引の場にはたくさんの猛者がいると先ほど言いましたが、逆に言えば、お手本にできる人がたくさんいるということです。
彼らの書籍を読むなどしてたくさんの情報を集めれば、やがて共通点が見えてくると思います。それを真似るのです。
たくさんの情報の中には、実際にはそう上手くいくようなやり方ではないものや、ずっと使えるわけではない手法などもあるかと思います。
その中で、多くの成功者に共通している情報は、株に取り組むにあたって、より正解に近い本当に役に立つ情報といえるのではないでしょうか。
ですので、それらのやり方をコツコツと実践していくことが出来れば、株取引のどのような局面にも対応できる実力が身についていくはずです。
このように株に取り組むことによって、儲かる儲からないといったことに振り回されるギャンブル的な投資ではなく、堅実に利益を積み立てていける投資を行うことが出来るようになるのではないかと思います。
両親とお金の話をしよう
自分の親と、お金の話はしにくいものです。
このご時世ですから、私たち現役世代も経済的に余裕があるわけではなく、「子には頼れないから、自分で」と思われている面もあるかもしれません。
もしそうなら「偉そうなことを言うな」と反発を招くこともあるでしょう。
しかし、両親に後悔のない自由な老後を送ってもらいたい、という私たちの気持ちは嘘偽りのないものです。
一度しっかり向き合って、親のお金のこと、話し合ってみませんか。
私も今回、株について考えてみたことを、母に伝えてみたいと思います。