いきなりですがあなたに質問です。
「もし言葉の力で人を思うがままに行動させることができるとしたら何がしたいですか?」
言葉の伝達手段は問いません。
1対1の会話でもいいですし、メールやLINE、ブログ記事などなんでも構わないです。
「会話を使って意中の女性を口説きたい」
「メールを使って上司や取引先をうまく操作したい」
「ブログを読んでもらって読者に行動を促したい」
普段何気なく使っている言葉をちょっと工夫するだけでこのような願望が叶うとしたら?
今回紹介させていただく「人を操る禁断の文章術」という本。
著者はメンタリストのDaiGoさん。
僕はタイトルを読んだ時「人を操る」とかめちゃくちゃ怪しいなと思いました。
「読んだほうがいいよ」と人に薦められたものの怪しすぎるので最初は買わずに図書館で読みました。
その場で最後まで読んだにも関わらず、僕はその後Amazonでポチりました。
手元に置いて何度も読み返せるようにしたかったのです。
この本の内容は文章を書く際は勿論のこと、日常の会話にも応用可能で絶大な効果を発揮します。
「人を操る」とは「自分の思い通りに行動してもらうこと」です。
言葉の力で人の行動や感情を自分の好きな方へ動かすことができるということです。
うまく使えば冒頭のように「会話を使って意中の女性を口説く」といったことも可能になるということです。
どうすればそんなことができるのか?
気になりますよね?
この本には人を操る文章や会話を作るノウハウがDaiGoさんお得意の心理学の知見を取り入れて書かれています。
今回はこの「人を操る禁断の文章術」の内容を少しだけ紹介させていただきたいと思います。
「人を操る禁断の文章術」の構成
・書かない3原則
・人を動かす7つのトリガー
・今すぐ使える5つのテクニック
の3つの構成で文章術が紹介されています。
一つずつ見ていきましょう。
①の「書かない3原則」とは文章の作り方。
文章を作る際に意識すべき原則が3つ紹介されています。
そのうち1つが「あれこれ書かない」ということ。
あえて短い文章にすることで相手の想像力の力を働かせるのがポイントだそう。
人は、受け取った情報が足りないときは想像や予測で判断する習性があります。では、この想像や予測が、何に基づいているのかというと、その人の知識と体験、つまり記憶です。記憶に残りやすいものは強い感情を伴う出来事、例えば自分にとって好ましいことや望んでいること。ですから読み手は情報量の少ない文章に触れると、自分にとって好ましい方向へ想像力を働かせやすいのです。引用:人を操る禁断の文章術
つまり
「あえて情報量を絞ることで、情報の不足分を相手の想像で補ってもらう。」
「その想像は相手にとって楽しいことだったり都合の良いことである可能性が高い。」
ということです。
これにより自分が書く文章や商品に対して興味を持ってもらうことができ、
自分の思うがままに行動してもらうという結果につながるというのです。
例えば、優秀な自動車ディーラーの営業マンは車を買う気のない人に一生懸命クルマの良さを説明したりはしません。
「この車に乗ったらどこに行きたいですか?」
と問いかけるだけで相手は家族や恋人と楽しくドライブしているところを勝手に想像してくれます。
この想像させるというステップを踏ませることで今まで購入する気がゼロだったお客さんにも興味を持ってもらい、最終的には「車欲しいかも」という気にさせることができるのです。
このように人間の心理や習性を踏まえた上で、相手を行動に導くための文章の原則が紹介されています。
他の2つの原則と合わせてこの「書かない3原則」を習得すれば
「人を動かすメール」「人を動かすブログ」「人を動かす会話」を作ることができるようになり
あなたの思う方向へ自由に人を動かすことができるようになるでしょう。
②の「人を動かす7つのトリガー」
こちらは文章や話のテーマの決め方についてです。
「文章を書きたいけれど何を書けば良いかわからない。」
「世間話をきっかけに仲良くなりたいけど何を話したら良いかわからない。」
といった方には大変参考になります。
どんなきれいな文章でも、読み手の心を動かして行動へと導かなければ価値はありません。では、「心を動かす文章」と「動かせない文章」は、何が違うのでしょうか。その答えは、読み手の心に刺さるかどうかにあります。人は「自分の欲求と関連したことが書いてある」と気づいたら、すぐ目の前の文章を読もうとし始めるのです。(中略)つまり、読まれる文章には、うまさや美しさではなく、「あなたの欲求を満たすものがここにありますよ!」という強い求心力が備わっているのです。その求心力の源となっているのは、読み手の心の中に渦巻いてる欲求です。引用:人を操る禁断の文章術
この、人の心に渦まく欲求を刺激する7つのトリガーというのが
・興味
・ホンネとタテマエ
・悩み
・ソントク
・みんな一緒
・認められたい
・あなただけの
です。
これら感情をゆさぶるトリガーとなる言葉を文章や会話にちりばめることで相手は興味を持って食いついてくるというのです。
この7つのトリガーをみただけではなんとなくわかったようなわからないようなといった感じの人が殆どだと思います。
本書ではこれらのトリガーの使い方について豊富な例文をもとに解説されています。
例えば「認められたい」というトリガーについて。
こちらは人間なら誰しもが持つの承認欲求という心理にアプローチするもの。
これを利用して上司の心に刺さるメールの例が紹介されています。
普通のメールの例として
「課長、昨日は楽しい時間をありがとうございました。またよろしくお願いします!」
という文章があります。
これを上司の心に刺さるようにするにはみなさんならどうしますか?
本書では
「課長、昨日はお時間いただき、ありがとうございました。○○○○。またよろしくお願いします!」
と言った具合で○○○○の部分に承認欲求を刺激するある言葉を入れる例が紹介されていました。
この例では○○○○の部分があるのと無いのとでは自分が受け手側だった場合にだいぶ印象が異なるだろうと感じました。
他にも「興味」のトリガーを利用した「気になる異性を誘う際のメール」の例。
「みんな一緒」のトリガーを利用した「不動産を買う気にさせるコピー」の例。
など様々なシーンで応用可能な例が豊富に紹介されておりどんな人でも参考になる内容となっています。
「心に刺さる文章を書きたい」「会話を弾ませたい」という方はこの7つのトリガーを意識してテーマや言葉を選んでいくと良いでしょう。
③の「今すぐ使える5つのテクニック」
人を動かすために文章や会話に盛り込むと良いテクニックです。
その名の通り今すぐ簡単に使えるのに効果は抜群な方法です。
そのテクニックとは
・書き出しはポジティブに
・なんども繰り返す
・話しかけるように書く
・上げて、下げて、また上げる
・追伸をつける
この5つのテクニックを見てどう感じるでしょうか?
人によっては「特に目新しいものは無いな」と思うかもしれません。
例えば「何度も繰り返す」というテクニックに関しては「繰り返せば記憶に残るのは当然だろう」
とほとんどの人が思うことでしょう。
しかし、そこには絶対にやってはいけないポイントがあるのです。
このポイントを意識することで3回の繰り返しで説得力が46%、10回の繰り返しで82%も
説得力が向上することが実験で示されているといった面白い事例が紹介されています。
その他のテクニックに関しても使いこなすためにはちょっとしたポイントや心理学の理論が背景にあります。
これらを踏まえていなければ効果は半減してしまうでしょう。
しかし、一度これらを知ってしまえばどんな文章や会話にも簡単に盛り込める非常に実用的なテクニックとなります。
まとめ
内容は非常に濃いですがとても読みやすくわかりやすい本です。
一回読み始めたら最後までするすると読めてしまいます。
実際に著者のDaiGoさんも
「本の1行目は2行目を読ませるために、2行目は3行目を読ませるために書いている。」
とおっしゃっている通り読書が苦手な私でもどんどん次が気になって読んでしまいました。
そんなこの本の冒頭は
「あなたの思う、世界最高の美女とは?」
という質問から始まっています。
この質問の意図を読み解くことが本書の始まりです。
気になる方はぜひ一度手にとって読んでみてください。